愛猫が「ごめん寝」するけど意味や理由は?潜む病気についても解説

愛猫の「ごめん寝」の姿は、可愛らしくて微笑ましいですよね。しかし同時に「顔を埋めて大丈夫なの?」「なにか問題があるのかな?」と、心配になる方もいらっしゃると思います。
この記事では猫が「ごめん寝」をする理由と意味、病気の可能性について解説します。もしストレスがあるなら改善してあげたいとお考えの飼い主さんは、ぜひ参考にしてください。
猫の寝姿「ごめん寝」とは

猫はときどき、不思議な寝姿をしているときがあります。その中でも「ごめん寝」は、特に目を引く寝姿ではないでしょうか。
「ごめん寝」とは、猫が両前足の間やベット、床などに顔を埋めて寝ている姿をいいます。まるで謝っているみたいに見えることから「ごめん寝」と呼び名がついたようで、中には「すまん寝」と呼んでいる方もいます。
猫が「ごめん寝」をする理由と意味

一見苦しそうに見えますが、もし本当に苦しければ目を覚ますはずです。スヤスヤと寝続けるのなら、基本的には問題ないでしょう。
しかし何かしらのストレスを感じて「ごめん寝」をしている場合があります。
ここでは「ごめん寝」をする理由と意味を解説しますので、思い当たる節があれば必要に応じて対処してあげてください。
リラックスしているから
人間と同様に、猫も浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠を繰り返しています。寝姿からどちらなのか判断が可能で、レム睡眠時は頭を横にして四肢を投げ出す姿勢で、大脳が活動しているため瞼やヒゲ、手足がぴくぴく動くといった特徴があります。一方ノンレム睡眠時は頭が比較的垂直に立てていて、レム睡眠時よりも整った寝姿です。「ごめん寝」の寝姿はノンレム睡眠の状態だと考えられます。
人間と暮らす前の猫は寝ているときも危険を察知する必要があり、その名残でレム睡眠が多いといわれています。「ごめん寝」を頻繁にするなら飼い主さんとの生活に安心感があり、深い眠りのノンレム睡眠がよくできているのでしょう。多くの場合、遊び疲れやお腹を満たして寛いでいるうちに寝落ちしたと思われます。
寒いから
猫は寒さを感じると体温を逃さないよう丸くなるため、寒くて「ごめん寝」の寝姿で寝ているのかもしれません。顔は末端部分であり、体温が体の中心部より低くなりやすい箇所で、シャム猫やヒマラヤンなどの顔や耳、四肢が黒いのも体温が低い場所だからです。冷えやすい顔を温めるために、埋めて寝ていると思われます。
冬の時期によく「ごめん寝」をするなら、ペット用のヒーターなど暖房器具を用意してあげてください。また夏場ならエアコンが効きすぎている可能性がありますので、温度調節してあげましょう。
眩しいから
明るさを遮りたいから「ごめん寝」をしているということも考えられます。私たち人間も瞼を閉じても明るさや暗さを感じるように、猫も明暗を感じます。特に猫の眼は光に敏感で、僅かな光も感じとれる眼の構造をしています。睡眠時に眩しさを感じ、顔を隠すことで快適な睡眠を確保しようとしているというわけです。
眩しい中「ごめん寝」の姿勢で寝るのは、「飼い主さんの近くにいたい」「お気に入りの場所だから」という理由なのかもしれません。
照明の明るさを落としたり、カーテンを閉めたりするなど調節してあげてください。
騒がしいから
猫はかつて獲物の気配を察知したり、危険から身を守ったりするために聴力が発達しました。睡眠中でも襲われないように猫は寝ているときも聴力を働かせていて、人では聞き取れない微かな物音でも聞き取り目を覚まします。
周辺が騒がしい場合「ごめん寝」の姿勢をとることで、耳が下向きになり周りの騒音が遮断され眠りやすくなるようです。「眩しいから」のときと同様に、騒がしくても「みんなの近くで寝たい」「ここが好きだから」という猫の気持ちの現れと考えられます。
テレビの音量を下げたり話す声のトーンを落としたりして、可能な範囲で音の配慮をしてあげましょう。
病気の疑いがある猫の「ごめん寝」姿

「ごめん寝」に似た姿勢で、病気のサインが隠れていることがあります。もし猫が起きている状態で壁や柱、床などに頭を押し付けているときがあるなら注意が必要で、ヘッド・プレッシングといい脳や神経系に異常がある可能性があります。
ヘッド・プレッシングに加えて、以下の行動や仕草をするなら疾患の可能性が高いです。
- 円を描くように歩く
- 同じ場所を行ったり来たりする
- その場でジッとしている
- 壁を見つめて動かない
- 反射神経が急に鈍くなった
疑われる脳神経系の疾患に、以下のものがあります。
- ウイルスや細菌、寄生虫などによる神経系の感染症
- 中毒
- 脳腫瘍
- 脳梗塞
- 脳炎
- 頭部の外傷
ヘッド・プレッシングは頭に感じる痛みを紛らわせようとして、壁などに頭を押し付けています。
様子を見ていても回復はせずに悪化するだけですので、愛猫の様子がおかしいと感じたら速やかに動物病院に連れて行き診てもらいましょう。
愛猫が「ごめん寝」をしていたらストレスがないか環境を見直そう
「ごめん寝」自体は基本的に心配する必要のない寝姿ですが、愛猫の快適な睡眠環境を整えることは大切です。以下のポイントを確認してみましょう。
- 快適な温度管理:温度調節やエアコンの風が直接当たらないよう配慮する
- 適度な明るさの調整:カーテンやブラインド、照明ので光量を調節する
- 静かな環境づくり:休息スペースは静かな場所に設置する
普段から愛猫の行動をよく観察し、快適な環境づくりを心がけて、より健康で穏やかな愛猫の暮らしをサポートしてあげてください。また普段と様子が違う場合や気になる行動が見られたときは、早めに動物病院で相談することをおすすめします。